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まい・らびりんす

ヒットラーの防具

「ヒットラーの防具」帚木逢生著
ベルリンの壁が崩壊、統一なったドイツ、、そこに日本から贈られたヒットラーの剣道防具が発見された。
これが物語の発端。
なんと興味を引くことか。
もうわくわくしてくる。
そうして、これは事実でもある。
これにもびっくりします。
今は日本に帰り、全日本剣道連盟に寄贈されているそうだ。
何を見てきたのかこの防具。。

主人公は日独混血の陸軍中尉。
小説は一気に過去にさかのぼり彼が総統へ剣道防具を贈呈するときに通訳としてついていくところから、、ヒットラーの最期までが描かれている。
主人公とのユダヤ女性との儚い愛情物語にも胸打たれるが、主人公がヒットラーの前で真剣居合い抜き(?)を見せる場面が面白い。
なぜかヒットラーに気に入られて最後は護衛につく。
そこは小説だから自由で面白い。
エバブラウンとともに自殺したとされているけれど遺体が本物か偽かっていうのはいまだ謎に秘められているらしくて、、。
そのヒットラーの最期も小説でありながら事実とも離れていかなくて、日本人のわたしとしてはそれは痛快でもある最期だった。
謎があるから想像の入る余地があるんですよね。

ちょうどwowowで見た「ヒットラー」の続きみたいな内容だ。
「ヒットラー」の前に「アドルフの画集」があるんだな。
これは絶対ビデオで見る。

日独混血青年がドイツで見ていたナチの隆盛からヒットラー滅亡まで、、という内容も異色ですよね。
歴史に詳しい人ならもっと面白く読めるんだろうと思う。
実在した人名が小説の中を飛び交っているんですから。
ゲッベルスは足が悪かったそうだけど、「ヒットラー」ではそんなことはなかった。

しかし作家の取材や想像力ってすごい!!。



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